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2025年1年間のデータから見る|人手不足なのに応募が来ない理由

2026.02.19

令和7年12月、山口県の有効求人倍率は1.27倍。求人が求職を上回る状態は続いています。しかし数字の裏には、単純な「人手不足」では語れない複雑な採用課題が潜んでいます。本コラムでは、最新データをもとに山口県の雇用情勢を読み解き、これからの採用戦略を考えます。

有効求人倍率1.27倍が示す”静かな人手不足”の正体

令和7年12月の山口県有効求人倍率(受理地別・季節調整値)は1.27倍。年間平均でも1.38倍(前年比▲0.08P)と、依然として「人を探す企業が多い」状況です。

一方で、足元の数字には”弱さ”も見えます。

  • 有効求人数:25,093人(前月比▲0.8%)
  • 有効求職者数:19,803人(前月比▲1.3%)
  • 新規求人数:前年同月比 ▲8.1%

求人は減少傾向、しかし求職者も減っている。これが今の山口県の採用市場の実態です。

1. 人手不足は続くが、求人は減少傾向

令和7年平均の有効求人倍率は1.38倍。企業の採用意欲は依然として高水準ですが、新規求人は前年比▲3.9%、有効求人数も▲3.7%と減少しています。

なぜ求人が減っているのか?

背景には以下のような構造的な要因が考えられます。

  • 物価上昇によるコスト増加
  • 業績見通しの慎重化
  • 人件費高騰への対応

つまり今は 「人は欲しいが、採用には慎重」 な局面に入っています。

2. 業種別に見る”採用の明暗”

令和7年12月の新規求人を前年同月と比較すると、業種によって明確な”明暗”が生じています。

増加した業種

  • 医療・福祉:+113人
  • 公務・その他:+124人

減少した業種

  • 製造業:▲250人
  • 建設業:▲116人
  • 卸売・小売:▲175人
  • 宿泊・飲食:▲183人
  • サービス業:▲200人

特に製造業やサービス業の減少幅が大きい点は、山口県の産業構造を考えると重要なポイントです。「人が足りない」のではなく、“応募が来ない”ために求人を抑制している可能性も否定できません。

3. 正社員採用の難しさ

正社員の採用競争は依然として厳しい状況が続いています。

正社員有効求人倍率

  • 令和6年:1.36倍
  • 令和7年:1.33倍(▲0.03P)

新規求人倍率

  • 令和6年:2.28倍
  • 令和7年:2.17倍(▲0.11P)

微減とはいえ依然として売り手市場。“新しく人を採ろうとする企業”の競争は依然激しい状況です。

4. 採用課題は「母集団形成」にあり

有効求職者数は前年比+2.2%と微増していますが、月次では減少傾向にあります。

つまり、「人は一定数いる」けれども「企業に応募していない」という状態が生まれています。

今の山口県の採用課題は、「人がいない」のではなく「選ばれていない」可能性にあります。

5. これからの山口県採用戦略

採用市場が”量の勝負”から”質の勝負”へと変わる中、企業に求められるアプローチも変わっています。

① 条件競争だけでは勝てない

給与・休日だけで比較される時代は終わりつつあります。数字では伝わらない「この会社で働く理由」を言語化することが不可欠です。

② “なぜこの会社で働くのか”を明確に

仕事内容の具体性・職場の雰囲気・働きやすさの可視化が、応募率を大きく左右します。

③ 採用広報の強化

求人票だけでなく、自社HP・SNS・社員インタビュー・写真・動画など、情報量の差が応募数の差になります。

まとめ

山口県の有効求人倍率は依然として1倍超。人手不足は続いています。

しかし同時に、求人数は減少傾向にあり、業種によって明暗が分かれ、正社員採用競争は継続するという複雑な状況です。

今後は 「採用するかどうか」ではなく、「どう見せるか」が企業の明暗を分けます。

山口県の採用市場は、“量の勝負”から”質の勝負”へ。今こそ、採用の設計を見直すタイミングかもしれません。

参考文献

山口労働局「山口県の雇用情勢について(令和7年12月分及び令和7年分)」
https://jsite.mhlw.go.jp/yamaguchi-roudoukyoku/content/contents/002543406.pdf

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