
令和7年12月、山口県の有効求人倍率は1.27倍。求人が求職を上回る状態は続いています。しかし数字の裏には、単純な「人手不足」では語れない複雑な採用課題が潜んでいます。本コラムでは、最新データをもとに山口県の雇用情勢を読み解き、これからの採用戦略を考えます。
令和7年12月の山口県有効求人倍率(受理地別・季節調整値)は1.27倍。年間平均でも1.38倍(前年比▲0.08P)と、依然として「人を探す企業が多い」状況です。
一方で、足元の数字には”弱さ”も見えます。
求人は減少傾向、しかし求職者も減っている。これが今の山口県の採用市場の実態です。
令和7年平均の有効求人倍率は1.38倍。企業の採用意欲は依然として高水準ですが、新規求人は前年比▲3.9%、有効求人数も▲3.7%と減少しています。
背景には以下のような構造的な要因が考えられます。
つまり今は 「人は欲しいが、採用には慎重」 な局面に入っています。
令和7年12月の新規求人を前年同月と比較すると、業種によって明確な”明暗”が生じています。
特に製造業やサービス業の減少幅が大きい点は、山口県の産業構造を考えると重要なポイントです。「人が足りない」のではなく、“応募が来ない”ために求人を抑制している可能性も否定できません。

正社員の採用競争は依然として厳しい状況が続いています。
正社員有効求人倍率
新規求人倍率
微減とはいえ依然として売り手市場。“新しく人を採ろうとする企業”の競争は依然激しい状況です。
有効求職者数は前年比+2.2%と微増していますが、月次では減少傾向にあります。
つまり、「人は一定数いる」けれども「企業に応募していない」という状態が生まれています。
今の山口県の採用課題は、「人がいない」のではなく「選ばれていない」可能性にあります。

採用市場が”量の勝負”から”質の勝負”へと変わる中、企業に求められるアプローチも変わっています。
給与・休日だけで比較される時代は終わりつつあります。数字では伝わらない「この会社で働く理由」を言語化することが不可欠です。
仕事内容の具体性・職場の雰囲気・働きやすさの可視化が、応募率を大きく左右します。
求人票だけでなく、自社HP・SNS・社員インタビュー・写真・動画など、情報量の差が応募数の差になります。

山口県の有効求人倍率は依然として1倍超。人手不足は続いています。
しかし同時に、求人数は減少傾向にあり、業種によって明暗が分かれ、正社員採用競争は継続するという複雑な状況です。
今後は 「採用するかどうか」ではなく、「どう見せるか」が企業の明暗を分けます。
山口県の採用市場は、“量の勝負”から”質の勝負”へ。今こそ、採用の設計を見直すタイミングかもしれません。
参考文献
山口労働局「山口県の雇用情勢について(令和7年12月分及び令和7年分)」
https://jsite.mhlw.go.jp/yamaguchi-roudoukyoku/content/contents/002543406.pdf