「また、求人会社の担当者が変わった」「せっかく関係を築いたのに、引き継ぎもままならない」——山口県内を営業で回っていると、地域密着をうたう求人サービスを利用している企業の担当者から、こうした声をよく耳にします。 なぜ、地元の名の知れた求人会社なのに担当者が頻繁に入れ替わるのでしょうか? そして、そのことが採用活動にどんな悪影響を及ぼすのでしょうか? 本コラムでは、サービス品質とビジネス構造の観点から、この問題を整理します。
求人広告会社では、営業・担当者の離職率が高くなりやすい構造的な背景があります。その主な理由は以下の3点です。
求人広告の営業は、月間の新規契約件数や、オプション追加(このオプションをつけると、もっと閲覧が増えますよ)などと謡い、あらゆる指標にノルマが課される「数字の仕事」です。クライアント企業の「採用がうまくいくかどうか」は、実は指標に無いことが殆どです。あくまで、売り上げを求められる場面が多く、担当者は、常に板挟みの状態に置かれます。この構造的なストレスが、離職率を押し上げる大きな要因になっています。
採用は景気・競合求人の状況・求職者の動向など、外部要因に大きく左右されます。どれだけ丁寧に対応しても採用につながらないケースがある一方、特に動かなくても応募が集まる時期もあります。「コントロールできない成果に責任を持つ構造」は担当者の精神的負荷を高め、長期就業の妨げになりやすいのです。
求人広告営業は、業務が細分化されており、専門スキルが積み上がりにくいという側面もあります。「企業との関係構築」を中心とした業務は、将来のキャリアに直結しにくいと感じる人が多く、数年で転職するケースが少なくありません。

担当者交代は、単なる「人が変わった」という問題ではありません。採用支援の品質そのものが、大きく損なわれるリスクをはらんでいます。
⚠️ 自社の採用課題・過去の施策履歴・うまくいかなかった原因が引き継がれない
⚠️ 改善のPDCAが途切れ、また「ゼロから説明」のやり取りが発生する
⚠️ 新担当者の経験値・提案品質にばらつきがあり、アドバイスの信頼性が下がる
⚠️ 担当者との信頼関係の構築コストが毎回発生し、本来の採用業務に集中できない
特に問題なのは、「引き継ぎ」の質です。
前任者がどんな提案をしていたか、なぜその求人原稿になったか、どの時期に応募が増えたか——こうした「これまでの採用の取り組み」は、社内に記録として残らないケースがほとんどです。担当者が変わるたびにこの記録がリセットされると、採用活動の改善サイクルが機能しなくなり、毎年同じ課題を繰り返すことになります。

担当者の離職・交代とあわせて見逃せないのが、「1人の担当者が何社を受け持っているか」という問題です。
規模の大きな求人会社では、1人の担当者が数十社〜場合によっては100社程度を受け持つケースも珍しくありません。これは一見「多くの企業を支援できる」ように見えますが、実態は正反対です。
⚠️ 定期的な連絡・提案が後回しになる(「急ぎの案件」が優先されるため)
⚠️ 求人原稿の改善提案が画一的・テンプレート化される
⚠️ 応募数の変化に気づくのが遅れ、対策のタイミングを逃す
⚠️ ヒアリングが浅くなり、企業ごとの個別課題に対応できない

採用支援の本質は、「その会社だけの課題に向き合うこと」です。担当者が多くの企業を抱えれば抱えるほど、提供できるサービスの深度は必然的に浅くなります。また、対応スピードも遅れがちになります。これは担当者個人の能力の問題ではなく、ビジネスモデルとしての構造問題です。
📌 ポイント:「地域密着」「地元企業に強い」とうたっていても、担当者1人が多数の企業を抱えている構造である場合、手厚いサポートは構造的に難しい。大切なのは、担当者が「何社を受け持っているか」を確認することです。
求人会社を選ぶ際、「知名度」や「地域シェア」だけで判断するのはリスクがあります。以下のポイントを確認することで、サポートの実態を見極めることができます。
✅ 担当者1人が受け持つ企業数はどれくらいか
✅ 担当者が変わった場合の引き継ぎルールはあるか
✅ 定期的な改善提案・数値報告の頻度はどの程度か
✅ 契約期間中に担当者が変わった実績はどれくらいあるか
私たちリルは、少数精鋭のチーム体制で、1社あたりの担当社数に上限を設けています。担当者が変わることなく継続的に支援できる体制を維持することが、採用成果の最大化につながると考えているからです。「また担当者が変わった」という経験を繰り返させない——それが私たちの採用支援における基本的なスタンスです。
求人会社の担当者が頻繁に変わる背景には、業界構造としてのノルマ・ストレス・キャリアの見えにくさがあります。これは個人の問題ではなく、ビジネスモデルとしての構造的な問題です。
さらに、担当者1人が多くの企業を抱える構造では、サポートの深度はどうしても限界があります。採用活動において大切なのは、「どの会社に頼むか」ではなく、「どんな体制で支援してもらえるか」を見極めることです。
✅ 担当者が変わらない体制か
✅ 1社あたりのケアに上限・ルールがあるか
✅ 継続的な改善サイクルを一緒に回せるか
「いい担当者に当たることを祈る」採用から、「担当者が変わらない仕組みを選ぶ」採用へ——この視点の転換が、長期的に見て最もコスト効率の良い採用戦略になります。