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最近話題の「採用広告」は本当に革新的なのか?WEB運用担当者が感じる違和感

2026.07.11

目次

最近、採用業界では「AIを使った最新の手法」「欲しい人材だけに求人を配信する」「求人プラットフォームを使わない革新的なスキーム」といったサービスが急速に増えています。一見すると、とても新しい仕組みに見えます。

ですが、10年以上Web広告を運用してきた立場からすると、正直な感想としては、

「これ、ECや情報商材業界で10年以上前に流行った広告手法の転用だよね。」

もちろん、だから悪いと言いたいわけではありません。むしろ広告の仕組みとしては非常に優秀です。ただ、「革新的」という言葉だけが一人歩きして、本質が見えなくなっているように感じます。

「革新的な採用広告」の正体

EC業界では2012年頃から、次のような流れが当たり前になりました。

  • 興味がありそうな人だけに広告を出す
  • 一度サイトを見た人へ再度広告を出す
  • ビッグデータを分析し、反応しそうな人へ広告を最適化する
  • LP(ランディングページ)で購入させる

今では誰も驚きません。採用業界で最近話題になっているサービスの多くも、実はこれを「商品」から「求人」に置き換えただけです。

商品が求人になっただけ。購入が応募になっただけ。広告の考え方は、ほぼ同じです。

採用業界はWeb広告業界の”10年遅れ”を追いかけている

広告は「集客装置」でしかない

ECでよく言われる言葉があります。「どれだけ広告を流しても、売れない商品は売れない。」採用もまったく同じです。

どれだけ優秀なAIが、どれだけ精度高く、どれだけ転職意欲が高い人だけを連れてきても、求人内容が魅力的でなければ応募は来ません

採用できない原因は、本当に「認知不足」なのか?

営業では、「知られていないだけです。」「もっと露出すれば応募が来ます。」という話をよく耳にします。もちろん、知られていない企業は存在します。

ですが、中小企業の採用現場を何千社も見てきた感覚では、応募が来ない原因の多くは認知ではなく、待遇です。

離脱につながりやすい求人条件の例
給与が地域相場より低い
年間休日105日
残業が多い
教育制度が見えない

こういった求人を、どれだけ広告で届けても、求職者は比較します。そして離脱します。広告は魔法ではありません。

広告は万能ではない――「集客装置」でしかない

LPは最後の面接官

ECでは、広告よりLPが重要と言われます。広告はクリックさせるだけ。購入するかどうかはLPが決めます。採用も同じです。

求人広告は、応募してもらうための入口。応募を決めるのは、以下の要素です。

  • 仕事内容
  • 給与
  • 休日
  • 福利厚生
  • 教育制度
  • そして写真やリアルな情報

ここが弱ければ、広告費だけが消えていきます。

応募を決めるのは求人票――”最後の面接官”

成功する会社は実は決まっている

この広告手法で成果が出る会社には共通点があります。例えば、給与は悪くない、休日も業界平均以上、福利厚生も整っている、教育制度もある。でも、求人票が弱い。会社の魅力が伝わっていない。そんな企業です。

つまり、採用力はあるのに、発信力だけが弱い会社。こういう企業は広告との相性が非常に良いです。

一方で苦戦する会社

逆に、待遇そのものが競合より弱い会社。この場合、広告は大量に人を連れてきます。しかし、比較され、離脱され、クリック費用だけが積み上がります。

広告会社は集客できます。でも応募は企業側の求人力で決まります。ここを混同してしまうと、「広告は回っているのに応募が来ない」という状態になります。

広告と相性の良い会社、苦戦する会社

広告業界では昔から、「広告は営業マンを連れてくるだけ」と言われます。最後に契約を取るのは営業です。

採用なら、広告は求職者を連れてくるだけ。最後に応募を決めるのは求人票です。つまり、広告だけ改善しても意味がありません

Web担当者として思うこと

私は広告運用そのものを否定しているわけではありません。むしろ、ターゲティング広告は非常に優秀です。だからこそ、「広告だけ変えれば採用できる」という伝え方には違和感があります。

広告はアクセル。求人内容はエンジン。エンジンが弱ければ、アクセルを踏んでも前には進みません。

まとめ:広告・求人内容・待遇の三位一体こそが成果を生む

採用市場では、次々と新しい言葉が生まれます。AI採用。ターゲティング採用。ダイレクト配信。でも、その多くは広告業界では何年も前から使われてきた考え方です。

本当に見るべきなのは、「どんな広告を使うか」ではなく、「求人そのものに選ばれる理由があるか」。採用は広告だけでは成功しません。

広告・求人内容・待遇。この3つがそろって初めて成果につながります。

Web運用を長く見てきた立場からすると、結局そこだけは、10年前も今も変わっていないと感じています。

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